断水した。
The water supply was cut off.
明明が昨日卒業式で今朝俺が寝ている所に帰って来た。
で、シャワーが出ないと言って起こされる。
眠い目を擦りながら集合ポストを見に行くと断水のお知らせが入っていた。
昨日はポスト見てないので一昨日投函されたのかな。
それにしてもお知らせ遅過ぎだろっ。
その際にいつもはこの時間には点いていない管理人室の明かりが点いていたのが目に入った。
きっと管理人が何か断水に関わる作業をしているんだろうと思った。
部屋に戻って、明明に断水のチラシを見せる。
チラシを読んでみると、作業終了予定時刻から既に一時間経過している。
明明は頻りに水道の人に電話しろと言うが、俺はきっと何かトラブルがあって作業が長引いてるんだよ、もう少し待ってみようとなだめる。
で、俺がちょっと目を離した隙に明明は水道局に電話を掛けた。
水道局の人に拠ると、工事は予定時間内に終了しているので、未だ水が出ないとするとマンションの管理人さんがバルブを閉めた後、未だ開けていない可能性がある、との事。
それを聞いて明明、今度は管理人に聞けと言い出す。
俺はきっと今開ける作業中で電話しても出ないと思うよ、と応えたが聞かないので渋々管理人室に電話を掛けたら繋がった。
で、水出ないんですけど〜、と聞くともう少し待ってみてとの返事。
きっとバルブを開けた後に貯水タンクに水が溜まる迄出ないんだろうと理解してそれを明明に伝えて俺はジョギングに出掛けた。
出掛けに管理人に呼び止められる。
管理人室のある二階はもう出るんだけどお宅は未だ出ない?ちょっと確認して貰える?と言われ、一旦部屋に引き返して確認するがやはり未だ出ない。
で、四十分後にジョギングを終えて帰宅しても状況は変わらず。
もう七時半を回っている。
マンションの他の住人も朝支度で水を使うだろうに、この状況じゃ皆困ってしまう。
明明はずっとバスタオル姿でシャワーを浴びるのを待っていた様だ。
もう諦めて寝たら?と言っても意地になっているのか引っ込みがつかなくなったのか、シャワーを浴びると言って聞かない。
話している最中に浴室から水が出る音が聞こえたので見に行くとシャワーからジョボジョボと水が出ていた。
シャワーの蛇口を開けっ放しにしていた様だ。
でもシャワーを浴びる水圧には足りない。
俺はその時、もしマンションの住人が皆このように水栓を開けていたら、一向にタンクに水が溜まらないのではないか、と思い、シャワーの栓を締めた。
で、再び明明にもう寝た方が良いと説得していると、蛇口を閉めないで、もしかしたらもう出るかも知れない、開けてみてと言う。
一時間待っても出なかったんだから今開けて出る訳無いじゃん、とブツブツ言いながら開けると
「ジャーー」
勢い良く水が出た。
何これ。
何この、明明が正しい人で俺が間違ってる人、的な状況。
何この、明明の周りの物は全て彼女の望んだ方向に動き出す、的な空気。
俺の心はルサンチマンに支配された。
株はピーエイで結構儲かった。
リクナビに登録した。
まだ職務経歴とか書いてないけどね。
明明、新しいバイト、1〜2回行っただけで辞めたらしい。
前のバイトも喧嘩して行かなくなって辞めたみたいだし、大丈夫なのだろうか。
で、今日は夕方に起きて出掛けて行った。
男と二人で食事だそうです。